「・・・ん?」

 爆発音、だろうか。ドーン!という大きな音に、私は振り向いた。上の方から聞こえたような・・・てことは屋上?
 危険だとは思いながらも、私はとりあえず様子を見に行ってみることにした。





 屋上に出るドアをそーっと開けてみると、前方に黒い塊のような何かがあった。その周辺には何だか分からないがカラフルなものがたくさん散らばっている。一体何が起こったというんだろう。
 辺りを見回してみても、それら以外には何もないし誰もいない。じゃああの黒い何かが原因ってことになる。爆弾とかじゃないといいけど・・・。私はゆっくりと、その黒いものに近づいてみた。

「あれ・・・?」

    泣き疲れてしまったのだろうか。ぐちゃぐちゃの顔で規則正しく寝息を立てているのは間違いなく、沢田家のランボくんである。この子がいたとなれば、爆発音もまあ驚くほどのことでもないということだ。私はほっとして、ランボくんの前に座り込んでしまった。

「・・・もー、びびっちゃったじゃん」

 言いながらほっぺたをつんつんしてやった。思ったよりもぷにぷにで気持ちいい。まだ赤ちゃんみたいなもんなんだなあと、しみじみ思った。

「んー・・・ランボさんぷにぷにしてるの誰なの・・・ツナ・・・?」
「ツナじゃなくて、だよ」
っ!?」

 私の名前を聞いた途端、ランボくんは飛び起きた。しばらく目をパチパチさせていると思ったら、すぐにその大きな瞳を涙でいっぱいにしてしまった。

ー!ツナが迷子になったのー!ランボさんは全然悪くないんだけどね、ツナがね、」
「はーい分かった。大丈夫だから泣かないで?」

 間違いなくランボくんが迷子になったんだけど、そうやって言わないところが可愛らしい。ちっちゃい子ってやっぱりいいなあ。私はランボくんの頭を撫でながら、嗚咽が止まるのを待った。

「おっ、ランボくん泣きやんだ。えらいじゃん」
「ランボさんは、えらいんだもんね!」
「うん、そうだね。じゃあツナ探しに行こっか」
「ランボさんが見つけてやるもんね。でもだっこ」
「鼻水つけないならいいよ?」

 私は、ランボくんが鼻をかんでいる姿を見ながら、やっぱり弟ほしいなあ、と思っていた。ランボくんみたいな弟がいたら、きっと毎日楽しいだろうな。

「ピギャー!!怖い鳥がこっち来るのー!」
「・・・・・・」

    訂正。やっぱりたまにでいいや。








【家庭教師ヒットマンREBORN!】ランボEND


2010/05/05