・・・ったく、やってらんねーよ。という銀時の言葉を合図に、居酒屋へと足を踏み入れた私たち。その時は、移動手段が銀時の原チャリだったということすら思い出せなかったのだ。そしてそれに気づいたのが閉店間際の3時半。まだ、始発は動いていない。 全く働かない頭で話し合い、とりあえずファミレスへと移動する。よたよた歩く銀時は、何度かガードレールに原チャリをぶつけていた。私は私で、何度か植え込みに突入してしまった。そこは道じゃねーよ、って真面目にツッコまれたのがやけに悔しかった。 そして今、私たちはファミレスで向かい合って座っている。頼んだドリンクバーは取りに行く気がしないし、銀時が注文したパフェは二人の真ん中に置かれている。なんでと尋ねたら、朝からはさすがにキツイだろ。とげんなりした顔。頼んだのは自分でしょ、手伝ってあげないからね。そう言いながら糖分のタワーを押しやると、逃れるように彼は背もたれに体を預けた。 窓の外は徐々に朝の雰囲気を纏いだして、ガラスを隔てている私でさえ日の光の暖かさを感じ取れたような気がした。遠くの鉄橋を見れば、滑るように電車が走っていた。ああもう始発が動いているのか、そう思って腕の時計に目を落とせば、もう6時を回っていた。・・・どうやらあれは始発ではなかったようだ。 早く帰らないと、新八くんたち来ちゃうよ。そう囁くけれど、うつらうつらしている銀時には聞こえていないようだ。無防備なその姿に、自然と頬が緩む。不謹慎だけど、急がなきゃいけないのは分かってるんだけど、でもそれを見ていられるっていうのが幸せだな、なんて思ったりする。そういうところを見せてくれるって、何だか自分が特別みたいだから。 ねえ、銀時、起きてよ。もう行かないと。 こんな小声で言ったって、起きるわけないのに。案の定、目の前の銀髪は規則正しく揺れている。差し込んだ光に透けたそれが綺麗で、何だか起こす気さえ失せてしまった。疲れてるんだもんな、もう少し寝かせてあげよう。 つくづく銀時に甘い自分に呆れながら、朝ご飯はここで取ることになりそうだ、とか、そんなことを考えていた。
それだけで、幸せだなんて ただ、あなたの寝顔を見つめているだけなのに 何か最近、長い話が書けなくなっている気がする。笑 この後二人で寝こけてしまって、新八くんに怒られたらいい 2008/10/31 ウインドウを閉じてお戻り下さい |