「 「どこが?いやーそりゃオジサンだってね、栗子が関係してる以外のチョメチョメなんてどうでもいーのよ。でもよー規則は規則なわけ。君らが規則破るとオジサンが怒られちゃうわけ。分かる?」 「・・・いや、答えになってないし。ていうか何すかチョメチョメって。私たちそういう関係じゃないって言ってるじゃないですか!」 「何だとぅー?あ、ニャンニャンのがよかったか。ゴメンねオジサンが悪かった」 「そういうことじゃなくて・・・!」 私は、今日何度目になるか分からないほどついているため息を、もう一度落とした。さっきからずっと、目の前のオジサン 先生は不純だと言っているが、正直私には意味が分からない。廊下で男子と少し話していた、それだけで注意とかおかしくないか?(しかも、内容は銀八先生からの連絡事項だった) 「おーいお前も何か言ったらどうだー?」 「・・・・・・」 「・・・ん?オジサンとは話したくないってか!いいぞーオジサンもそんな気分だから」 「・・・・・・」 ・・・しかもその話していた男子、沖田総悟は隣で眠りこけている。その無駄な度胸もおかしいけど、それに気づいてもいない先生も先生だ。剣道部員だから贔屓してるのか・・・いや、違うな。それはない。だって先生、沖田のアイマスクの模様、ホントの目だと思ってるもん。 「さぁーて、オジサンそろそろパラダイスにいかなきゃならんからそろそろ罪を認めろー」 「罪って何の!明らかに冤罪じゃん!ていうかパラダイスて何ですか」 「野暮なこと聞くんじゃねーよ。ま、あえて言うなら女の子がいっぱいいるところだよ」 「・・・キャバクラか」 教師のくせに生徒に堂々とキャバクラ行くって言っていいのか・・・つーかまだ5時なんだけど。 会話してるのも馬鹿馬鹿しくなった私は、そっと立ち上がった。どうせこのまま否定し続けても、このオジサンは折れたりしないんだろう。ならば。 私は思いっきり沖田を蹴った。文句を言って、アイマスクをずらしつつ立ち上がるヤツの首根っこを掴む。 そして自身は能動的に、沖田は受動的に、勢いよく頭を下げた。 「先生、すいませんでした!私たち・・・不純でした!」 「は?何言ってんでィ」 「いいから黙ってて!」 不本意だけど・・・ものすごく不本意だけど、こう言えばきっと「次からは見えないとこでやれよー」とか、そんなもんで済むはず。・・・不本意だけど! ゆっくりと頭を上げると、松平先生は・・・笑っていた。 「その言葉を待ってたのよオジサンは。さーて、生徒指導室行くぞ」 |