つーわけで、文化祭ではなんらかのコスプレをするよーに。以上」
「以上じゃねーよ!もっとちゃんと説明してくんないとわけわかんないだろ!」
新八くんの声に、そうだそうだと皆が賛同した。勿論、私もその一人だ。
「ったくテメーらホントにバカだなァ。だからさっきから言ってんだろ?職員会議でジャンケンに負けたって」
「てこたァこりゃ一種の罰ゲームってことですかィ?」
「違うぞー。ボランティアだ」
「どんだけポジティブなんだよ!」

文化祭をもう一ヵ月後に控えた今日、HRで先生が突然、
『文化祭当日は3Z全員がコスプレをすること』
という何とも意味不明な発言をしたのがついさっき。よくよく説明を聞いてみると、どうやら馬鹿なことで有名なバカ・・・改めハタ校長が、地味な銀魂高校の文化祭を盛り上げるという目的で、どこか1クラスにだけ、コスプレをさせようという迷惑極まりない提案をしたのだという。どの担任も嫌がったので(なんせ自分もやらなければならないのだ)、最終的にジャンケンということになり、見事、銀八先生が敗北。そして、今に至る。

「ねー、コスプレって何アルか?」
「あ、神楽ちゃん知らないのか。あのね・・・」
「オマエソンナコトモ知ラネーノカバカダナ!コスプレッテイウノハ、普段着トシテ着テタラ違和感ガアルヨウナ物ヲ堂々ト身ニ着ケル事ダヨ」
「それ自分のこと言ってるアルか」
「小娘ガナマ言イヤガッテ!設定ナンダカラ仕方ネーダロ!」
「コスプレって意識はあるんだ・・・キャサリン」
留学生2人のお陰で教室が騒がしくなったことが気に食わなかったのか、銀八先生は眉根を寄せた。
「オイうるせーぞ。騒ぎたいなら国へ帰れー。・・・とにかく、何着るか各自決めとけよ」
「先生ー!俺、お妙さんはメイド服がいいと思いまーす!」
「発言は慎め近藤ー。HPが0になるぞー」
「先生。変態のゴリラが教室に紛れ込んでるみたいなんで捨ててきてもいいですか?」
「志村落ち着けー。それは変態のゴリラじゃなくてただのゴリラだぞー」
「フォローになってねえよ!」
「先生ー。あの、コスプレって何のコスプレでもいいんですか?」
「何、土方お前やりたいコスプレでもあるの」
「ぜひマヨの・・・」
「却下。」
「あーあ土方さん、却下だそうでィ。てことで死ね」
「なんでだよ!」
また収集つかなくなっちゃったよ・・・。私は小さくため息をついた。今日はさっちゃんが休みだからまだよかったものの・・・あの子がいたら放送禁止用語とか連発しそうだもんな。不謹慎かと思うけど助かった。
教室を見渡せば、東条くんは「若にゴスロリを!」とか叫んだせいで九ちゃんから飛び蹴り食らってるし、桂くんはすでに衣装チェンジしている。・・・いや、まだ早いでしょ。ていうかアレ何のコスプレ?オーバーオールに赤い帽子って・・・キノコ食べてる意味が分からないし。

「なあー」
「あれ、先生?いつの間に」
私の席は教室の中央辺りなのに、いつの間にか先生が私の目の前に立っていた。騒がしい教室の中で一人だけ静かだから、逆に目立ったのかな。
「お前さ、文化祭でナース服着てくんね?」
「はあ?」
自分の好みなのだろうか。やけに期待したような目で、先生は私を見た。ていうかそういうのは生徒じゃなくて彼女にやってもらえば・・・・・・ああ、そっか。彼女いないのか。
明らかに断れない状況だったので、私は仕方なく頷いた。(実際、何を着るか決めかねていたので、助かった部分もあるんだけど)
しかし、大喜びしている先生に釘を刺すことも忘れない。
「じゃあ、先生はラムちゃんの格好して下さいね」
「・・・・・・え?」








文化祭は


コスプレ義務です

この罰ゲームって正直、3Z以外に適任っていないと思う









2008/04/16


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